月を楽しむ人

2017年7月9日は満月でした。満月を十五夜と呼ぶことは多くの人が知っているだろうと思います。

童謡の『うさぎ』で「うーさぎ、うさぎ、何見て跳ねる、十五夜お月さま見て、跳ーねーる」と歌って知った人が大半かもしれないですね。

 

では、十五夜の次は何でしょうか?

15の次なのだから当然16だと推測するに違いないでしょう。

実際その通りで十六夜と書きます。ただし、読み方は「いざよい」なのです。

 

古典や漢字が好きな人は読めるよと答えるかもしれませんね。

では、なぜ「いざよい」と読むのかご存知でしょうか?

 

「いざよい」はもともと動詞の「いざよう」に由来しています。

「いざよう」には、進もうとしてなかなか進まない、ためらうなどの意味があります。

満月である十五夜を過ぎると月が出てくるのが遅くなり、その様子がためらっているようであることから十五夜の次は十六夜と書いて「いざよい」と読むのです。なんとも風情のある言葉ですね。

 

ここから少し面白いのが、十六夜のさらに次なのです。

17日の月を立待(たちまち)月、

18日の月を居待(いまち)月、

19日の月を寝待(ねまち)月

と呼びます。


月の出を待つ人の姿勢を名前にしているのがなんとも風情があると思いませんか。

 

今夜は少し、月を見上げてみてください。