「この人と同じ髪型にしてください」

スマホで画像を見せながら言う。
「この人と同じ髪型にしてください」

 

担当の美容師の方を持たない自分は、美容室に行った時その場にいた方に切ってもらう。

名乗りもせず、髪型の相談が終われば黙々と切ってくれる。個人情報を話すことがさも当然のような空気も、「コミュニケーション中」というパッケージも、愛想笑いの踊り場もここには存在しない。店内のBGMとハサミの音だけが流れていく。


ここ最近は髪型を変える予定がないので同じ画像を見せているのだが、毎回違う髪型になる。今回に関してはヘルメットとしか言いようがない…。

 

自分の中の服部平次が困り顔で言う。
「切り過ぎちゃうか?」

さらに服部平次が推理を続ける。
「同じ髪型にしたか、同じバランスにしたか、の違いや」
さすが西の名探偵だ。

 

写真の人とは骨格レベルで違う。こんなに小動物系の骨格ではない。ああ、かわいい。骨格はもちろんなのだが、なんてったって顔がいい。
ああ、着床からやり直したい・・・。

骨格レベルの違いを考慮せず今回のように髪型をそのままコピーしてしまえば、白鵬に子供用ヘルメットを乗せた図が出来上がる。笑ってはいけない相撲部屋だ。美容師のお姉さん・・・アウトです。
一方、前回はバランスをコピーしていたようだ。白鵬に標準よりやや大きめのヘルメットを被せてくれた。これで安心して自転車乗れるよ!ありがとう!

 

「バイクちゃうんか!」
服部平次よ、ツッコミまでありがとう。

 

「同じ」という言葉は簡単に使えるけれど「同じ」ように伝わるとは限らないね。

上手な美容師かどうかは、きっとここに表れるのだろう。

 

 

美容室、出来上がるまでドッキドキ。
眼鏡あるあるでした。