泣くのが下手だと思った。
今日は袖がびしょびしょで色が変わるほど泣いてしまった。
30分近く声をあげて泣いていた。
とめどなく流れる涙。小康状態は一切やってこなかった。
しかし、泣くのが下手だった。
「声を上げて」と先述したが実際は声を殺しているのに漏れてしまう音があまりにも大きかったので、ほとんど声となっていた。
これは幼少期に、泣いていると父親から「泣いて何か変わったか?」「泣いたって何も変わらないぞ」「お前の中の塩分濃度が少し減るだけだ」と言われてきたからだ。
泣くと怒られた。
だから泣きそうになっても、目に力を入れて涙をこぼさないように必死になるのが癖だ。あふれてきそうになったら急いで拭うのだ。
あまりに目に力を入れたようで、泣き止んだ後目の下が内出血していた。
泣いている時も下手だと思ったが、それを見て、自分は泣くのが本当に下手だと呆れた。