芝居のブロックと水

宝塚を見るようになって深くのめりこむのが楽しいと思ったのが、演者の方の芝居に対しての意気込みや役作りの課題、どう演じるかを聞く機会があることです。
宝塚専門チャンネルで放送されている now on stage という番組で公演の主要メンバーの方々の話が聞けます。
 
作品や番組を通して最近思ったのが、
芝居において技術はブロック感情は水で、
役作りは「役」という自作の型をブロックと水で満たす作業なのではないかなということです。
ブロックは大小、形も様々で穴があったり歪だったりする。ブロックで役は揺るぎない確固たるものになる。ブロックだけでは埋められない隙間に水が入って全体が滑らかなものに仕上がる。そんなイメージです。
 
そこで、花組のトップスター・次期トップスター(使ってみたかったワード)はどんな芝居なのか個人的主観で考察してみました。
 
明日海りおさんはブロックがとっても細かく砂サイズで、少しずつ形が違う。ブロックとブロックの隙間まで計算して緻密に積み上げ、どんな砂像も作れるようなベストな硬さに必要な水量を入れるイメージ。
決して堅くなく、もろくなく、感嘆するほどの絶妙な硬さ。水の割合や部分的に水の多い箇所の調整もできる。
 
一方で、柚香光さんは粘性のある水でいっぱいなイメージ。
ブロックが溶け込んでいて水はスライムに近い状態。水分が多いから表面は抜群になめらかで固体なのか液体なのかわからない。ただのブロックや水では行き届かないところまで水が広がる。すごく説明が難しい。
 
 
心に染み込むもの、役から滲み出るものは水なんだろうなと思います。
技術じゃ説明できない部分はそこなんだろうなぁ。