朝。

今日は自分の力で、そうつまり自力で起きたのだろうか。

爽やかな目覚めだった。

目が覚めてまずメガネを探す。

寝る前にどうにか横に置いたノートパソコン、そのキーボードから落ちそうになっているメガネを少し雑に掴む。

上体を起こさないまま右手をこたつテーブルに伸ばし、手だけでスマホを探す。

7時か。

丁度いい時間だと思いながらも少し残念に思う。

起き上がってスマホをテーブルに戻しながら視線を少し右奥にやる。

マボロシの鳥』

早く起きた朝にだけ読む本。

果たしてあの男はどうなったのだろう。

視線を手前にずらしマグカップを掴む。

飲みかけの麦茶を流し込む。

目覚めの一口だ。

さぁ、立ち上がろう。

今日が始まる。